近視の発症要因
近視の発症には遺伝的要因(生まれつきの素質)と環境要因が関係すると考えられています。
遺伝的要因は、「両親が近視の場合のその子供は、両親が近視でない子供と比べて、約5倍の確率で近視になりやすいと言われている」ことが、そのゆえんです。
環境要因は、近くを長時間見ることや、屋外活動が少なくなったことの関与が示されています。小中学生の近視も増えています。現代は、スマートフォンやゲーム機の普及が関係しているのではないかとも言われていますが、はっきりとした根拠(証拠)は不明でもあります。
近視の進行
近視の進行は、ほとんどが眼軸が伸びてしまうことが原因とされています。眼軸とは角膜頂上から網膜まで、眼球の前後方向の長さです。眼軸が伸びると、ピントの合う位置がさらに網膜より前方にズレてしまうのです。
学童期の子供は、からだの成長期ということもあり、眼球の成長も伴います。よって、近視が進みやすい側面があります。また、人によっては、大人になっても近視が進行することもあります。
近視の対策
近視の多くは単純近視と言い、視機能障害を伴わず、眼鏡レンズ等で容易に矯正できるものです。眼球の成長は16歳頃まで続き、近視の進行を止めることは困難です。特に、小学生以下のお子様は、眼科医の検査を受けて、適切な眼鏡の処方を受けることが勧められます。
コンタクトレンズは高度管理医療機器と言い、管理や使用方法を誤ると眼の病気になります。高校生以上などのある程度自己管理ができる年齢になってから使うことが望ましいです。
環境要因として、少しでも近視の進行を抑える効果があるのではないかと考えらえていることもあります。それは、明るい屋外での活動や正しい姿勢での近業作業です。読書などでは、30センチ以上の距離を取ること、ゲームやパソコン・スマホを長時間、過度に使用することは慎んだ方がいいでしょう。
病的近視
単純近視とは別に病的近視という区分があります。眼軸が長く、眼球後部が変形して、網膜や視神経に様々な病的変化が生じ、眼鏡等で矯正しても視力が出ない近視のことを言います。黄斑変性や緑内障など、様々な合併症を起こし、ひどくなると失明の可能性もあります。
特に、
・マイナス8D以上の近視である
・子供の頃から近視が強い
・20代後半、30台になっても近視が進行している
これらが当てはまる場合は、病的近視へと進行するリスクがあります。
病的近視かどうかの診断は眼科で検査を受ける必要があります。40代以降は眼底変化が起こることが多いとも言われています。自覚症状がなくても、早期発見、失明リスクを避けるためにも、1年に1度は眼科医の定期健診が非常に大切です。